東方 風見幽香

晴れやかなり人生

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 風見幽香はたまに人里に赴く。目的は主に花屋で、珍奇な種が入荷していないかを確認しにいく。そうでなくとも、彼女は花が好きである。ただ花に囲まれる空間があるだけで、心が癒やされる。そうして静かな一日を過ごすことで、楽園の恩恵に預かるのだ。しかしながら、その日は望んでいない珍しさに出会うことになる。
「風見幽香さん!」
 花屋を出て傘を開いた直後に、幽香はこうして呼び止められた。フルネームで呼ばれることなど、ほとんどなかった。旧知の者たちは幽香呼びであるし、自らの立場も弁えずに名前を口にする者は二度とそんな言葉が吐けないようになった。
 また、命知らずか。
 幽香がそう考えて振り返ると、人里に住んでいるのであろう青年がいた。
「どちら様?」
 基本的に、この大妖怪は礼節を持っている。里の中で人を殺めないという約束を守っているのもあるが、いちいち「妖怪的に」対応するのは面倒という事情もあった。
「僕、貴方のファンです!」
 この子は頭がおかしいのね、と幽香は思った。
「そう、ありがとう。それじゃあ」
「待ってください!」
 食い下がられるのは御免だったが、彼はしつこそうだった。数歩分の距離を一気に詰めてきて、どうかこの苦しい胸の内を聞いてほしいとばかりに両手を差し伸べた。
「毎日毎日、貴方のことだけを考えてきました」
「お暇なのね」
 幽香はまるで笑わない。不快さを隠そうともしない。礼儀で乗り切る段階はすでに通り過ぎてしまっていた。
「私はこれから家に帰るのだけど。貴方も回れ右してはいかがかしら?」
「安心していただいて構いません。僕の帰る家はありませんから!」
 無言で、幽香は傘を閉じた。それから閉じた傘を青年に突き出して、ごくごく手加減した殺気を放った。ただし、通常の人間ならば、明確な恐怖を覚えるほどだ。
「帰りなさい。でないと、殺すわ」
 ごくり、と青年の喉が動くのが見えた。
 だが、彼はさらに前に一歩進んだ。目がきらきらと輝いていた。まるで嵐の予感に波を起こす湖の水面のようだった。
「殺してください!」
 狂人か――。
 幽香の理解は即座に切り替わった。言語が通じても、言葉が通じない相手との対話は無意味である。ならば、取るべき道は一つだけだった。
 歩く速度を早める幽香。青年もそれを走って追いかける。
「僕の自己紹介をさせていただきますね。僕の名前は」
「貴方の名前を覚える暇はない」
「そうですね! 失礼しました!」
 私の悪い癖だ、と幽香は思った。言わせるままにしておけばいいのに、つい彼に応対してしまっていた。青年のある意味での「至らなさ」がもどかしく、今すぐにでも首をはねてやりたくなるのだった。
 だが、約定は約定だ。人里の門外に出てから即座に殺すつもりだった。拳で殴り殺すにせよ、脚で蹴り殺すにせよ、はたまた弾幕で消し飛ばすにせよ、何の手間もかからない。青年との付き合いは外に出るまでの間のみに留まるはずだった。
「名前を覚えるのは、それに見合った力を持った戦士だけですよね。はい! 大切な部分だけ簡単にお伝えしようと思います。僕は貴方が好きです。ぞっこん惚れています。そして、今、この世界で誰よりも死にたいと思っています!」
 狂人の言葉である。幽香は思考の外で聞き流した。青年は少し息こそ上がってきていたものの、なおも大声で喋り続けた。周囲の人間の目もあったが、今すぐに手を下すわけにもいかなかった。
「僕は、ついさっき、家族を殺してきました!」
 幽香は、立ち止まった。
 青年が勢い余ってぶつかりそうになってきたので、身軽に避ける。
「家族を殺した?」
 いくら狂っているとはいえ、ここまでの告白は初めてだった。
「はい!」
 青年は直立不動になって、元気良く答えた。
「とてもとても、気持ちのいいものではないですね。きっと、幽香さんはこの程度のことを簡単にやってのけるのだと思いますけど、僕には大変な難事でした」
「何人殺した?」
 そんなことを聞いてどうしようということもないが、幽香の中で一つの変化が起きていたのは事実だ。
「二十三人」
 多い――。
 しかし、嘘ではなさそうである。幽香は青年の爛々とした瞳の輝きに、真実を見た。
「家族と奉公人を、一人でやりました」
「もう幻想郷のどこにも居場所がないのね」
「そうです」
「じゃあ、同じ人間が貴方を殺してくれるわ。良かったじゃない。それで、貴方の死にたいという欲求は達せられる」
「違います!」
 青年がまた声を張る。会話の内容が内容だ。周囲で様子を窺っていた人間も一気にざわつき始めた。彼の話が本当にせよ嘘にせよ、非常に立場が悪いのは間違いない。そして、もし本当だとしたら、彼は間違いなく何らかの形で死を賜るだろう。
「違う、と」
「ええ」
 幽香さん、と青年は改めて呼びかけてきた。
「僕は、貴方に殺されたいんです。死にたいわけじゃない。いいや、むしろ、死にたくないというのが正直なところかもしれません」
 気分のいい話ではない。幽香は素直にそう感じた。その一方で、青年の素性、背景にあるものが気になったのも事実だ。彼女の退屈を紛らわす良い材料であることに違いはなかった。
「少し、話をしたいんだけど」
 その言葉を聞いた時の青年の喜色満面は、もはや表現形式の枠を超えるものであった。
「は、はいっ! よろしくお願いします!」
 私も酔狂だな、と幽香は心の中で自嘲した。
 それから数分後には、二人の姿は小料理屋の個室の中にある。耳聡い者が追いかけてくるかもしれないと懸念していたが、往来で自分は人殺しだなどと叫ぶ男に関わりたくはないのか、誰も幽香たちを追いかけてこなかった。
 もっとも、たとえ追跡されていたにしても、幽香本人は気にも留めなかっただろう。別に、彼女自身が人間に対して危害を加えたわけではないのだ。堂々としていればいい。
 幽香は酒を勧め、青年はそれを受けた。互いに一杯を飲み干したところで、彼は「僕は人間が嫌いなんです」と話し始めた。
「嫌いといっても、段階があると思うけど」
「僕は思うんです。いや、思い知らされたんです。人間以上に醜い存在なんてない。こんな奴らは死んで、殺されて、食われて当然だってね。それに比べて、妖怪の皆さんはすばらしい。強く、気高く、意義がある。まっすぐだ。このまぶしさを知らなかったなら、僕はただただ失意と後悔の中で死んでいったでしょう」
「だから、妖怪の真似事をして、人間を虐殺してみた?」
「殺したのは……そうかもしれません。実は、僕にもよくわかっていない。なんとなく、そうしなきゃいけないように感じたって言うべきなんでしょうね」
 逸脱者だ。人間の閉塞した社会の中では時折現れる異端の種だ。
 幽香はそう推測したが、むしろそれが外れることを期待していたし、そういう予感がしていた。単なる狂人が同胞を無残に殺して、しかも死にたくないのに妖怪には殺されたいという倒錯した感情を抱いている。破滅者の支離滅裂かもしれないが、奥底に眠っている何かを引き出したいと考えるようになっていた。
「人間が大勢を殺す動機としては弱く感じるわね。そうそう、狂えるものではない」
「思うのですが、正気と狂気に境目などないのではないでしょうか?」
「あら、そんなこと。永遠亭のお調子者が泣いてしまいそう」
 その言説には一個の正しさがあるけれど、と幽香は心の中で付け加えた。
「本当に殺した?」
「初めに殺したのはまだ六歳の妹でした」
 青年は上着を半身で脱ぎ、鍛え上げられた肉体を晒した。
「次に、母を。他の妹と、姉たちも。父は家族の中では最後に殺しました。僕が睡眠薬を混ぜた酒を一番飲んでいた人ですからね。それから、別の部屋で寝ている奉公人も。上手く殺せました。誰も騒がず、たとえ目覚めたとしても僕に押さえつけられて、はっきりと死んでいきました。討ち漏らしはありません」
 不思議なくらいに後悔もしていないんです、と青年は熱を帯びてきた語調で言った。
「僕は紙問屋の息子です。いや、しかし、本当は息子でも何でもなかった。知らないのは僕だけでした。男児の生まれなかったあの畜生どもは、僕の本当の両親を殺し、ただ飾り物の後継者にするために生まれたばかりの僕を拉致したんです」
「復讐は都合の良い動機よね。でも、幼い子どもや奉公人は関係ないのではなくて?」
「いいえ、彼らはみな知っていました。陰口を叩き、悪罵を飛ばし、僕の全人格をどこまでも貶めていました」
 この言説には多分に妄想癖の気配を感じる幽香である。とはいえ、それを確かめる手段はもうない。みんな死んでしまったからだ。また、確かめる意思もない。真実なるものに興味を持たなかったからだ。幽香にとっては対岸の火事どころか、見も知らぬ働き蟻の共食いのようなものだった。だからどうしたというわけではなく、だからどうするというわけでもない。
「彼らは僕に苦役を課しました。おかげで、こうして健全な肉体を手に入れることができた。まるで彼らに断罪する今という瞬間にたどり着くために、龍神様がそう運命づけてくださったのではないかとさえ思います」
「殺したことを後悔していない?」
「後悔する理由がありません」
「理由なんて些細なものに振り回されているから人間止まりなのよ」
「おっしゃる通りだと思います。人間とは何と醜く、力弱く、間抜けで、インチキで、スピロヘータなんでしょうか」
 幽香は思う。それでも、人であることを嫌い、人である己を拒絶するというのなら、果たしてその人は人間なのだろうか。それはもはや妖怪化を果たした元人間なのではないだろうか。
 であるならば、博麗の巫女は粛々と退治しに来るだろう。彼女は右手で救いの手を差し伸べ、左手で心臓をえぐり取りに来る。とてつもない力を危うい少女性のみで繋ぎ止めている。
 まったく、博麗霊夢とは恐ろしいものである。
 然るに、青年からはそうした無謬性が感じられなかった。常に迷いながら、善と悪との間を振り子のように行き来する、支配すべき人格に支配された奴隷精神の持ち主でしかなかった。
「それでも、貴方は人間なのよ」
 ならば、幽香は指弾すべきだと感じた。
「残念ながら、その程度では妖怪になれない」
「そうなんでしょうね」
 青年は従容たるものだった。
「ええ、間違いありません」
 結局、犯人の主張からは何も見えてこないものだ。
 幽香はそう考えた。仮に彼の主張が正しく、紙問屋の息子としてただこき使われるためだけに拉致され、その結果として身についた肉体で一家と奉公人への復讐を果たしたのだとしても、「だから何?」という現実は全く揺るがない。彼は自分から生きる道を閉ざしたのである。その環境が嫌なら、逃げてしまえば良かった。後ろ足で砂をかける必要などなかったのだ。
 もっとも、と幽香は自らの思考に付け加える。私がそんな境遇だったなら、より凄惨な現在を作り上げただろう。窮屈な生など耐えられないからだ。だが、この青年は野山で生きていくことができるだろうか。博識なわけでもなければ、ずば抜けて強いわけでもない存在が、ただただ苛烈な自然と向き合った時、どうやって未来を切り開くのだろうか。
 人間は弱い。
 ゆえに、徒党を組んで強くなった。
 彼がしたことは、それを否定しただけの話だ。単体としての脆弱さに変わりはない。家を建てる力もなければ、より強力な暴力に耐えられるだけのポテンシャルもない。
 極端な話、風見幽香という、人類にとって極めて最悪な暴威がその気になったなら、今すぐにでも青年の命は吹き消されるのである。
「しょうもないのね」
 幽香は言った。
「貴方が生きているのは私の気まぐれで、いずれ死ぬわ」
「ええ! それは僕の望みです。死ぬなら人間によってではない。誇り高い妖怪の手で殺されたい。死ぬのは辛いけれど、そう、人間なんかの狭隘な見識の中で死ぬより、何倍も美しいと思うのです」
「私は貴方の美学のためにあるのではない」
「しかし、幽香さんは美学を持っている」
 視線が交錯する。
 この視線の中で、幽香は特に何も感じていない。その通りだと思ったくらいだ。別にやり込められた気持ちはないし、真実の一端を明らかにされた程度である。怒ることもなければ、喜ぶこともない。
 ただ、できるならば死にたくないと願う青年が、せめて死ぬなら妖怪に殺されたいと思うことについては、とんでもない身勝手であるという感想を抱いてはいた。死ぬならば勝手に死ねば良いのである。妖怪は人を襲うものだが、気高い死とやらのために襲うのではない。もちろん、食う時にしか襲わないものでもない。「妖怪は人間を襲う」ものなのだ。そうした事実だけが重要である。
 廊下を走る複数の足音がして、襖が開いた。
 人里の捕吏たちがそこにいた。
「葛屋の殺しの下手人として、お前を拘束する!」
 青年がそれを聞いて、さっと青ざめた。
「私が通報したとでも?」
 対する幽香は平然としていたが、多少の不快感は持った。
「この部屋は私たちのような『怪しい客』向けの仕掛けが施されているわね。……気づかなかった? 壁一枚隔てたところに隠し部屋があって、従業員が話を聞くことができるようになっている。貴方は自分の罪を宣伝しすぎたのよ」
 襖とは逆側の丸窓の向こうには庭が広がっていたが、そちらにも捕吏がいるのがわかった。ここは完全に囲まれているのだ。
「幽香さん、僕を殺してください。こいつらに捕まるなんて御免だ」
「嫌よ」
 幽香は即答した。
「どうして貴方の願いを叶えてやらなくちゃならないの? 望む未来があるのなら、そのための相応の働きをしなさい。まして、『人間風情』の要求を、妖怪たる私が聞くなんてありえないんだから」
 捕吏が飛びかかってきたのを、青年は拳で迎撃した。
 なるほど、強い。
 幽香はそう感じた。よほど日頃から肉体労働で酷使されてきたようだが、それより何より戦い慣れていた。つまり、彼の話にはない、もっと深い事情があるのだろう。ただし、それに触れる気はさらさらなかった。
 酒を飲む。この鉄火場で、幽香だけが泰然自若であった。
「斬れ、斬れ!」
 捕吏たちが刀を抜いた。
「あら、私に当たったらどうするつもりかしら?」
 幽香は杯を置いて、艶やかに笑った。
 これには捕吏たちも固まってしまった。彼女は人里でも有名な存在である。それも「絶対的に逆らってはいけない妖怪」として。花屋でたまに見るこの妖怪に逆らえば、人里全体が根絶やしにされかねない。それほどの脅威として、脳髄に刻み込まれていた。
「貴方」
 幽香は青年を見た。
「私になら殺されてもいいのね」
 青年は捕吏たちを警戒しながらも、力強く頷いた。
「この場合は同意殺人になるのかしら。それとも助太刀として褒められるのかしら」
 今度は、幽香は捕吏たちを舐めつけるように見た。
「霊夢に嫌われたくはないのよね。あの子、強いから」
 だけど、このまま傍観し続けるのも馬鹿らしい。
 幽香はそう考えるとともに、目にも留まらぬ速さで青年の首根っこを押さえた。
「もはや、貴方は死ぬしかない」
「ああ……!」
 青年がきらきらと目を輝かせた。
「殺してください……!」
 風見幽香の手にかかって死ぬという最大の誉に、快感すら覚えているようであった。状況を理解した彼の脳は、筋肉から力を抜くように指示を出したらしい。幽香に押さえられるままに、だらんとした体勢となった。
 幽香が、青年の首元に指先を突き入れた。
 それだけだった。
 他の傷を彼につけることなく、幽香は彼を解放した。
「えっ?」
 青年にはよほど意外だったらしく、間抜けとも言える声を出した。
 捕吏たちも何が起こったのかわからないという風で、刀を抜いたままに幽香と青年を見つめていた。
 ざわり、と空気が動いた。
 花が咲いた。
 青年の服を突き破って、真っ赤な花が。
 花は次々と青年の皮膚を食い破り、あちこちから咲き始めた。
「あ、ああ」
「貴方に種子を植えたわ」
 幽香は言った。
「望み通り、苦しみ抜いて死ねる」
「違う!」
 青年が叫んだ。それに呼応したかのように、また赤い花が咲いた。
「僕は貴方に殺されたかった。貴方の手にかかって」
「あら、これは私の能力だけど?」
「違うんだ……」
 花が咲くたびに、青年の人間としての原型が失われていく。血しぶきがあちこちに飛び、部屋中を赤く染めていく。しかし、幽香にだけは血が飛んでいない。すべては彼女のコントロールの中にある。
 もはや青年の均整の取れた筋肉は、次々に花によって蹂躙される未開の原野と化した。埋め込まれた種子は体のあちこちに根を広げ、そのたびに極上の痛みが彼を苦しめるだろう。
「早く死にたい?」
 幽香は余裕の表情で尋ねた。
「死にたい……」
 青年が息も絶え絶えに言った。
 その最中にも。彼の舌から赤い花がポフンと生えてきた。もはや声にならない悲鳴がこだました。
 次の瞬間、幽香は捕吏の刀を奪い、青年を真っ向から斬りつけた。
 美しい斬撃によって、明らかな致命傷が入った。
「ああっ……!」
 この時、苦しみに満ちていた青年の顔に、とてつもない快感の色が表れた。幽香が直接に手を下したという事実が、彼の苦痛のすべてを快楽に変えたかのようであった。
「最高だ」
 彼の口はそう動いて、床に倒れた。するとその衝撃で、彼の体はバラバラになってしまった。なんと彼の体はもはや人間としての組成を維持できず、ただ崩れるだけの土くれに変化してしまっていた。
 呆然とする捕吏に対し、幽香は刀を返した。
「良い人生だったわね」
 もはや赤い花にまみれるだけの土になってしまった、まさしく「青年だったもの」に対してそう呼びかけながら、幽香はその場を去っていった。

-東方, 風見幽香

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